群馬地区 理事長

福島 直

私たち建設職人甲子園という団体は「職人に光を当てる」ということを軸に、「建設業界から日本を元気にする」というビジョンを掲げています。建設業を取り巻く環境は他業種同様、人手不足や、後継者不足が顕著になっています。我が国の建設就業者の人口は平成9年の685万人をピークに減少を続け、平成28年には500万人をきっています。中でも、60歳以上の就業者がおよそ80万人と多く、この先10年で就業者の減少速度は一気に加速します。 一方20代の若手は33万人程度であり、就業者不足を支えるほどの担い手がいなく、その見込みが薄いというのが現状です。 私は建設業界に限らず、私たち大人が働くということの魅力を発信できているのだろうかと感じています。先日、中学生の職業体験ということで、3人の中学生を1週間受け入れました。3人の中学生は最初は挨拶さえ声がなかなか出ませんでしたが、だんだんと大きな声が出るようになり、それと同時に本当に楽しそうな表情でモノづくりに取り組んでいました。両親への感謝の言葉も手紙になりました。最終日の学校からのアンケートで、仕事を通じて何を子どもたちに伝えたかったかという質問の選択肢の一番上に、「仕事の大変さとありました。子どもに、中学生に仕事の大変さを教えることが大切なことでしょうか?私たちの役目でしょうか? 仕事はお金を稼ぐため、生活を支えるためにある。そのことに関して異議は全くありません。ですが、仕事って、働くことってそれだけでしょうか?夢を叶えることも、思いを遂げることも、人の役に立つことも、自分が成長することも、色んな事が仕事を通じできると思うのです。 若者たちのやる気がない、夢がないといわれますが、私が出会う若者たちは皆、まぶしいくらいに目がキラキラしています。夢をつかもうと必死です。 私はあるときこう思いました。若者から見ている私たち自身が魅力を失っているのではないか。話を戻せば、建設業界に魅力がなくなっているから若者が集まらないのではなくて、私たち大人がその背中で、魅力を伝えられていないのではないか。職人に光を当てるということを通じ、その職人一人一人の姿に私たち自身の姿が重なります。それは、職種や業態を超え、私たち一人一人の人生がそこに感じられるからかもしれません。職人の在り方はまた、私たちの在り方そのもであると気づかせてくれます。皆、自分の仕事に誇りを持ち、仲間を思いやり、家族を大切にする。時には感情のままに、時には不器用に、それでも大切なものをしっかりと胸の中につかんでいる。私は多くの職人さんや、多くの人たちと出会いそんなことを教えてもらいました。 この甲子園には素晴らしい人材がたくさんいます。建設業界だけでなく、他業界からも多くの友が参加しています。私たちは共に多くのことを学びながら、そして、ただ知識だけを蓄えるのではなく、実践というものを大切にし、自分の人生だけにとどまらず、会社、日本を元気にしていく原動力になれればと活動しています。 私たちが子どもたちに希望を託すのではなく、私たち自身が子どもたちの希望となる。そんな思いを皆さんと共有出来たら本当にうれしく思います。